千曲川コース

ダイナミックな地形の変化を楽しめる

  • 中級者
  • 展望
  • 歴史
  • 15km 総距離
  • 4h30min 所要時間
  • 230m 標高差
【イメージ】千曲川コースマップ

千曲川の浸食などから生まれた断崖、浅間山のパノラマ、古い民家や田園など、
ダイナミックな景観と集落の風情の両方が楽しめるコースです。

千曲川コースのスポット

鴇久保集落から御牧ヶ原台地へ

1. 鴇久保ビオトープ

【イメージ】鴇久保ビオトープ

2. 御牧ヶ原台地

【イメージ】御牧ヶ原台地

3. 茶房読書の森

【イメージ】茶房読書の森

鴇久保ビオトープは、御牧ヶ原台地と千曲川の中間に位置する集落。かつてトキが生息していたことからその名がついた。地名の通り鴇(トキ)と住民が共に住める環境を作ろうと、地元の有志が活動している。約140種類の草木、19種類のトンボ、31種類の蝶の生息が確認されている。

御牧ヶ原台地(みまきがはらだいち)は、北八ヶ岳の古い火山群(八柱火山群)や烏帽子火山群(浅間連峰)の噴火活動により形成された。台地上は標高750~800m程度。最高点の 858mから低い地点で 650m と、緩やかな起状で、千曲川に面して100mから150mの断崖になっている。北は浅間、南は蓼科、東西は千曲川、鹿曲川に囲まれており、浅間連峰、八ヶ岳、美ヶ原、北アルプスなどが一望できる。

平安時代から鎌倉時代初頭にかけて、朝廷の料馬を養成した勅旨牧「望月牧」(もちづきのまき)があった。その面積は約2,100ha(東京ドーム約450個分)と言われ、ここで育てられた馬は駿馬「望月の駒」として全国に知られていた。信濃、甲斐、武蔵、上野の4国に32牧ある中で最大規模を誇り、平安時代の最盛期には献上頭数年80頭のうち20頭を望月牧から献上していたと言われている。

干間無池から岩根の断崖(七曲り)へ

4. 干間無池

【イメージ】干間無池

5. 岩根の断崖(七曲がり)

【イメージ】岩根の断崖(七曲がり)

6. 岩根の断崖

【イメージ】岩根の断崖

干間無池(ひまむいけ)は、御牧ヶ原で2番目に大きい溜池で、1820年頃に造られた。「干上がる間が無い池」という願いが込められている。昭和40年代になると、女神湖や五郎兵衛用水から水を引いてきて、台地に水が潤うようになった。

岩根の断崖(七曲り)では、屏風のように断崖がそそり立ち、御牧ヶ原を支えています。七曲りは、久保集落から御牧ヶ原に上がる細い急坂だが、現在は車があるため利用する人は少ない。昔は曲がり角ごとに石が置いてあり、そこに腰かけ、荷物を降ろさず休むことができたという。崖の下に馬頭観音を祀っている。集落の人が行き会える場所で、いろいろな話ができる楽しみの坂だったと言われている。崖の下の千曲川沿いの集落は川辺集落と総称され、宮沢、大杭、久保、上ノ平、西浦、大久保、鴇久保、氷の8つの集落が点在している。これらは昔から養蚕や農業で協力しながら生活してきた歴史があるという。

千曲川周辺から懐古園へ

7. 大杭橋

【イメージ】大杭橋

8. 久保集落

【イメージ】久保集落

9. 水圧管路脇の階段

【イメージ】水圧管路脇の階段

千曲川(信濃川)は、秩父山地から日本海まで流れる日本一長い大河。総延長367kmのうち、千曲川と呼ばれる部分は214km(新潟県では信濃川と呼ばれる)。甲武信ヶ岳(2475m)が水源で、長野県側は川上村に登山口がある。

大杭橋は、1959年に造られた(1981年に架け替え)吊り橋で、JR東日本「大人の休日倶楽部」のポスターで吉永さゆりさんがたたずむ姿が話題になった。老朽化により、2016年から通行止めとなっている。

小諸大橋は、2004年に竣工した、高さ60m、長さ330mの大きな橋で、浅間山や千曲川が一望できる(秋には見事な紅葉が見られ、スケッチを楽しむ人も多い)。小諸大橋記念公園は「小諸眺望百選」の一つに選定されており、園内には小諸市出身の洋画家・小山敬三の「紅浅間」と島崎藤村の「千曲川旅情の歌」を刻んだ石碑などがある。また直売センターでは、5~12月にかけて、地元産の新鮮な農産物が販売され、地域住民をはじめ大勢の利用者で賑わう。

東京電力小諸発電所・西浦ダムは、東京電力の水力発電用のダムで、1937年に完成。当時のままの建築物が残っている。トレイルは、発電所の水圧管路脇の階段を登っていく。この階段は、春は桜のトンネルになる。

懐古園から安藤百福センターへ

10. 懐古園

【イメージ】懐古園

11. 大久保集落

【イメージ】大久保集落

12. 風穴

【イメージ】風穴

懐古園は小諸城跡に造られた公園で、小諸城址に残る「三の門」や苔むした野面(のづら)石積の石垣、樹齢500年といわれるケヤキの大樹の中、四季折々の風情を楽しむことができる。

大久保の集落は比較的起伏が緩やか。耕地面積は狭いものの、川風が強いため、桑に害虫がつかずに蚕が元気に育つと言われ、昭和初期まではこの一帯で盛んに養蚕が行われていた。今も屋根に気抜(きぬ)きを持つ大きな家が数軒残っている。

氷集落にある氷風穴群は、冷風を逃がさないよう萱屋根壁を設け、天然の冷蔵庫(氷室)として活用されてきた。
風穴とは、礫(れき)と礫の隙間から冷風が噴き出す穴のこと。江戸時代には氷を貯蔵して、小諸藩主に献上。養蚕が盛んな明治時代には、蚕種(蚕の卵)の貯蔵に効力を発揮した。現在では、りんごや漬物、日本酒の保存に利用されている。夏場でも2〜5℃ほどの低温に保たれているので、冷気を体感することができる。

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