【報告】ロングトレイルハイカー入門講座2019 (5)
開催日:2020.02.08~02.09
【報告】ロングトレイルハイカー入門講座2019 (5)
イベント

第5回 雪のトレイルを歩こう


■講座概要

2019年度ロングトレイルハイカー入門講座
 主催:NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構
 共催:安藤百福センター

■趣旨

初心者ハイカーを対象に、ロングトレイルの歩き方やスキルを学ぶことを目的として開催した。2016年度より開催しており、今年で4年目。事前の計画、装備などの準備編から、楽しみ方、地図読み、天気図、トラブル対処などの実践編まで、歩き方の基本が一通り学べる構成となっている。

■講師
山口 章(やまぐち あきら) 公益社団法人日本山岳ガイド協会認定ガイド
京都府出身、東京都在住。「山と溪谷」編集長、山岳図書編集部長、山と溪谷社事業部参事などを歴任。NPO法人アウトドアライフデザイン開発機構代表理事、NPO法人浅間山麓国際自然学校顧問、クライミングインストラクター。
中学時代より登山をはじめ、ワンダーフォーゲル部、山岳部で国内の山々を登り、海外ではモンブラン、マッターホルンなどを登る。登攀経験も豊富。主な著書は『社会と環境教育』東海大学出版会(共著)、『自然との共生をめざして』ぎょうせい(共著)など。

日 程:
2020年2月8日(土)~9日(日)
内 容:
1日目
(実習) アサマ2000~水ノ塔山~高峰温泉~アサマ2000(約4.5 km)
(机上) 雪山ミニレクチャー
2日目
(実習) 車坂峠~高峰山~車坂峠~車坂山~車坂峠(約4km)
参加者:
19名(申込者30名)

 

■活動レポート
1日目は曇り空の下スタート。目的地は第2回でも行った水ノ塔山だ。スノーシューを履いて早速出発する。
スノーシュー独特の歩き方は慣れるまで難しかったが、じきにリズミカルに歩けるようになる。
 
歩き出してしばらくすると、雲の切れ間から青空が見えてきた。ぽかぽかと体が温まるので、上着を脱ぐ。雪山では汗をかかないことが重要だ。
山頂までの行程はスムーズ。2時間ほどで山頂に到着し、昼食休憩を取った。
 
クリックして拡大 列から逸れて、誰も足を踏み入れていない雪面にトレースをつけるのもスノーシューの醍醐味だ。最後にはまっさらな斜面を各々気ままに歩いて、1日目終了。
我先にとトレースをつけて駆け下りていく参加者たちは、まるで童心にかえったかのようにはしゃいでいた。
 
センターに戻ってからはミニレクチャー「雪の山に登る」。
いつかは自分も雪山登山を……と思っている参加者もいることだろう。雪山の特徴に始まり、行くときの注意や装備品などの紹介があった。
 
1日の締めはお待ちかね、懇親会。第4回が中止となったこともあり、久しぶりに会う参加者たち。冬はやっぱり鍋料理! デザートに地元の三宝柑ゼリーを出すと、あちこちから「おいしい!」という声が上がった。
お酒も食事もぐんぐん進み、夜が更けるまで話し込んでいた。
 
2日目は朝から吹雪だった。風が強く吹き付け、1日目とは打って変わって悪天候。展望のない中、高峰山を目指す。立ち止まるとすぐに体が冷えてくるので、休憩は極力取らずに進んでいく。
 
風が強く、山頂滞在時間はごくわずか。高峰山での昼食は断念し、下りてくると鳥居がお出迎え。例年なら鳥居の「高峰神社」の文字が隠れるほどに積もっている雪も、この少なさ。今冬の暖かさを物語っていた。
 
車坂山の下りで急斜面を利用した滑り台を楽しみ、樹林帯で昼食を取り、下山。
トレースのついていないところをざくざくと歩み進めていく参加者もおり、ここ一日でのスノーシューの上達ぶりが窺える。
今回、好天と悪天候の両方を体験し、雪山の魅力と恐ろしさ、どちらも知るいい機会となった。

■参加者の声(アンケートより)
  • 初めての雪山歩き、好天と吹雪の両方体験できた。夏に歩いたコースを冬にも歩き、冬でないとみられない景色を満喫した。
  • 天気は大変だったが、普段では体験できないことが体験できた。
  • ザ・冬山という天気で勉強になった(2日目について)。
  • スノーシューの取り扱いや歩き方、登り方、下り方など具体的な説明がもっと欲しかった。

これにて2019年度、5回にわたって開催したトレイル講座は全て終了した。好評のため、引き続き次年度も開催する。

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