デザイナーインタビュー

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コンセプト

無節で緻密な木目と、素地の色合いの美しさで知られる奈良県吉野地方の吉野杉は、もともとは木桶仕込みの日本酒の醸造用に、密植多間伐を繰り返して歳月をかけて培われたもので、 すでに500年に及ぼうとする手間のかかるその長い植林の歴史は、世代を遥かに超えて私たち日本人が継承する貴重な資源となっています。
その森林育成のために、端材を利用してつくられる美しい割り箸は、今日の私たちの口唇にじかに触れ、四季折々の豊かな食に彩りを添えてくれます。

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「又庵」は、樹齢 130 年の吉野杉原木から製材された杉の柾目材を使い、人々が手塩のかけた豊かな森と食の世界を結び合わすためにデザインされました。 床面の広さはちょうど一畳台目の茶室に等しく、都会の喧噪を離れた清々しい緑の中で、ひととき樹上にたゆたう「木漏れ日の茶事」を開いて、遠来の客人をもてなせるように構想しています。

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名前の由来は、株立ちの欅の木の又に結んだ庵 ( いおり ) であり、人が又再びここを訪れたいと思ってくれるようにと考えたものです。さらには、利休好みの名茶室である京都上京の「又隠 ( ゆういん )」へのオマージュでもあります。

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デザイナー紹介

古谷誠章
Nobuaki Furuya
建築家・早稲田大学教授・有限会社ナスカ代表取締役

1955年生まれ。
1980年早稲田大学大学院博士前期課程修了。
1994年早稲田大学助教授に就任。1997年より現職(教授)。
1986年文化庁建築家芸術家在外研究員としてスイスの建築家マリオ・ボッタの事務所に在籍。
1994年に八木佐千子と共同してNASCAを設立。
1999年「詩とメルヘン絵本館」日本建築家協会新人賞受賞。
「ZIG HOUSE / ZAG HOUSE」、「高崎市立桜山小学校」「小布施町立図書館まちとしょテラソ」などで日本建築学会作品選奨、
2007年に「茅野市民館」で日本建築学会賞作品賞受賞。2011年に日本芸術院賞受賞。

Copyright 2010-2012 Ando Foundation.